今回は社会福祉士の転職にオススメな地域包括支援センターについて解説していきます。
記事の内容
✔️地域包括支援センターの仕事内容
✔️地域包括支援センターが社会福祉士の転職にオススメな理由
記事の信頼性
社会福祉士として地域包括支援センターでの勤務経験がある筆者が解説します。
Contents
社会福祉士の転職先にオススメ!地域包括支援センターの仕事内容は?
そもそも地域包括支援センターとは?
地域包括支援センターとは、介護保険法に定められた高齢者の総合相談の窓口です。
基本的には各自治体に1ヶ所以上は設置されています。
地域包括支援センターの特徴として、福祉系の機関で唯一「社会福祉士を設置すること」が法的に定められている機関になります。
地域包括支援センターには、以下の専門職を配置することが定められています。
地域包括支援センターの配置基準
①保健師
②社会福祉士
③主任介護支援専門員
(介護保険法施行規則第140条の52第1項第2号より)
未経験からでも転職できる?
地域包括支援センターには社会福祉士を配置しなければならないと定められているため、社会福祉士の求人も非常に多いです。
そのため未経験からでも転職しやすい職場です。
実際に筆者も未経験の状態から地域包括支援センターで勤務をしました。
高齢者の総合相談の窓口というだけあって、様々な分野の勉強ができてとても良い経験になったと思います。
地域包括支援センターの仕事内容は4つの柱に分けれられる
地域包括支援センターの業務は大きく4つの柱に分けれれます。
地域包括支援センターの業務
①総合相談
②介護予防ケアマネジメント
③権利擁護
④包括的・継続的ケアマネジメント
この中でも主に社会福祉士の担当分野は「③権利擁護事業」になりますが、多くの地域包括では①〜④の全ての業務を行うことになるでしょう。
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
①総合相談
高齢者に関するあらゆる相談に乗ることが地域包括の特徴です。
窓口や訪問を通して利用者のニーズを聞き取り、必要なサービスや制度に繋いでいきます。
相談例①
相談内容:本人からの相談。最近足腰が弱ってきて家の掃除が自分では難しくなってきた。
対応:本人の身体状況を聞き取りの上、代行で介護申請を行う。結果が出たらケアマネージャーに繋ぐ。
相談例②
相談内容:本人の息子さんより相談。最近一人暮らしの母親の様子がおかしい。同じものを沢山買い込んだり、「お金盗んだやろ」などと電話がかかってくる。
対応:認知症外来の紹介をする。さらに金銭管理の面で成年後見制度の説明をする。
このように地域包括支援センターでは医療・介護・福祉のあらゆる分野に関する相談に乗っています。
②介護予防ケアマネジメント
現行の介護保険制度では7段階の介護度があります。
そのうち要支援1・要支援2の認定を受けた方が介護保険サービスを受けるためには地域包括支援センターが作成する介護予防ケアプランが必要になります。
<介護度>
要介護5
要介護4
要介護3
要介護2
要介護1
要支援2
要支援1
※要支援1、2が地域包括支援センターのプラン作成対象
地域包括支援センターにはケアマネージャーも配置されているので、基本的にプラン作成はケアマネージャーが行いますが、中には社会福祉士もプランを担当することもあります。
実際に筆者も地域包括支援センターに勤務していた際、10件程度のプランを担当していました。
業務としてはプラン作成、サービス事業所との連絡調整、3ヶ月に1回程度の訪問などです。
③権利擁護
地域包括支援センターの業務の中でも、権利擁護については社会福祉士の担当分野になります。
具体的に権利擁護事業とは以下のようなものになります。
地域包括支援センターの権利擁護事業
・高齢者虐待対応
・成年後見制度に関する業務(市長申し立てなど)
・消費者被害に関する業務
虐待ケース対応については他職種と一緒に行うことが多いですが、成年後見制度の申し立てや消費者被害に関する相談は社会福祉士が受け持つことになります。
④包括的・継続的ケアマネジメント
これは地域の事業所に対する支援といったイメージです。
地域の事業所のケアマネージャーが担当する困難ケースを、様々な専門職が集まって検討する「地域ケア会議」の開催などがあります。
社会福祉士の転職先に地域包括支援センターがオススメな理由
社会福祉士の設置が義務付けられているので求人数が多い
社会福祉士の求人の中でも、地域包括支援センターの求人はとても多いです。
理由は先ほども述べた通り、福祉系の機関で唯一社会福祉士の設置が義務付けられているからです。
それだけ社会福祉士のニーズが多いので、狙い目というわけです。
各市町村に設置されているので近場で働くことができる
基本的に地域包括支援センターは各自治体に設置されています(人口3万人に1か所程度)。
ですから、出来るだけ家の近くで働きたいという人にも地域包括支援センターはオススメです。
地域の事業所とのやりとりも多く、繋がりを作るのにもとても良い職場であると言えます。
行政からの委託事業なので信頼される
地域包括支援センターは設置主体が市町村とされています。
ですが市町村直営のセンターは割合的には少なく、多くは業務委託という形で在宅介護支援センターや社会福祉協議会などに委託されています。
ですから、世間的な信頼性というのもとても高い職場であると言えます。
以上が社会福祉士の転職先に地域包括支援センターがオススメな理由です。